住職のブログ

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2009年 7月 9日 (木)

禍福


諺に『禍福は糾える縄のごとし』とあります。幸福と不幸は糾(あざな)える縄のように交互に現れてくるということです。世の中では、何が幸いして、何が災いになるかわからない、幸と不幸とは背中合わせ、表裏一体みたいな物です。自分自身にとっては、その出来事やそのもの自体を、どのように受け止めるかによって大きく変わってきます。幸せと思っていることが、実は不幸のはじまりであったり、またその逆のこともあります。私の父は戦争中に、お坊さんとしての長い修行が終わる満願成就日の翌日に召集令状が来て、地元、松山での出仕兵士の為の武運長久の祈願会に参加せず、そのまま四国丸亀連隊に入隊、訓練中に意識不明の大怪我で陸軍病院へ入院。入院中、その連隊が乗った輸送船が南方へ向かう途中に沈没して、全員戦死したそうです。この時にもし怪我をせずに船に乗っていたら、この妙法寺も、まして私自身も、存在していなかった事でしょう。わずかな事がその人の一生を大きく左右することもあるのです。良きにつけては驕り高ぶることなく、悪しきにつけては僻みひくつにならず、自分をみつめたいものです。


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