住職のブログ

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2012年 11月 2日 (金)

書譜の五合


中国の有名な書家「孫過庭」氏の書に『書譜』と云うものがあるそうです。
書の評価基準・技法・学習法などを書論として書かれたもので、現代でも書道の世界ではとても大切(現代に生きている)にされている書物だそうです。
その中に『五合(ごごう)・五乖(ごかん)』と云うものがあるそうで、五合とは「書をいかに上手く書けるか」と、その五つが示され、五乖とは「上手く書けない」五つが示されてあるそうです。
1・気持ちが伸びやかで楽しい時・・「神怡務閑」 2・頭が冴えて働きが明瞭な時・・「感恵絢知」 3・気候が穏やかで湿度が適当な時・・「時和気潤」
4・紙と墨が調和する時・・「紙墨相発」 5・感興が湧いて自分から書きたくなる・「偶然欲書」あり、更に「調子が出るまで待つのではなく、自分にあった用具用材を研究してそろえて、調子を出すのが良い」そうです。
実はこれは、娘の学校の先生の学級通信『夢の途中』に書かれていたものですが、生徒たちの「ヤル気」スイッチの入れ方を『書』の世界をもって示されています。この五つは、どの世界にも使える素晴らしい言葉と思います。
心身が落ち着き(1・2)環境が調い(3・4)自分がそれを求める時に一番いい状態になる(5)。しかし、このすべてが一度に揃うことはまずないと思う、その為に日々の努力が一番大切で、何時でもスタートができる状態に持って行くこと。その状態を保つことが必要なのです。しかし、常に張りつめた状態では息切れしてしまいます。時々息抜きをする事も大切だと思います。(息抜きのし過ぎは厳禁)なにごともこれが基本かも・・・。


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