2011年 6月 14日 (火)
薬石
昔、インドで比丘(僧侶)が携帯を許された道具の一つで、石でできた鍼で、石を細くとがらせ針状にしたものを薬石と云ったそうです。この鍼で病の治療をされたそうで、今日の金や銀などの金属製の鍼になったそうです。
薬石の薬は文字のとおり薬・薬剤のことで、石はこの鍼の治療をさしたそうです。薬石とは、薬と石鍼治療(医者の手当)をもって病の治療をすることだそうです。病気のため入院治療されていたがその甲斐もなくなく亡くなられたことを『薬石効なく…』と云われるのは、このところから来たそうです。
また別説では、当時、インドの戒律で昼以降の食事は禁止されいて、病者が医食の為の食事は許されてこれを薬石と称したそうです。その為、病者でない方は、夜の飢えと寒さをしのぐ為に石を焼いて温めこれを布にくるみ、抱いて休まれたそうです。この石・温石を薬石と云ったそうです。
隠元和尚の『黄檗清規』(黄檗宗の僧侶の生活規範を示したもの)に 「飢え渇きの病を療せんが為に晩食を薬石」と、云うとあるそうです。
参考・仏教いわく因縁辞典・仏事Q&Aより
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