住職のブログ

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2012年 5月 28日 (月)

書家の遺言


昔、中国に有名な書家が居られました。彼はとても仏教を嫌い一度たりとも経文を書かず、息子に「決して法華経を書いてはならない」と遺言され亡くなられました。
やがて息子も父の後を継ぎ有名な書家の達人となりました。そして国王から「法華経」を書くように再三の命令がありました。しかし、父の遺言を守り辞退し続けましたが、国王の命には背けず仕方なく法華経八巻の表紙の「妙法蓮華経巻第一」から「妙法蓮華経巻第八」までの文字、六十四文字を書いて国王に差し上げたそうです。
ある夜、枕辺に多くのおともを連れた一人の天人が現れ「息子よ、私は法華経を粗末にした罪で無間地獄に落ち苦しんでいた。しかし、そなたが書いた法華経の一文字一文字が六十四の佛となり、地獄の重苦に責められていた私たち罪人を佛となした」と、そう言い息子に手を合わせました。
尊い法華経の文字を書いた息子の身体は、父母が育んだもの。子の手は親の手、子の書いた文字は親の書いた文字、よって無限地獄に落ちた父を息子が書いた法華経の功徳で助けたのです。
今日ある私たちの命は、父母・祖父母・・・と先祖代々によって育まれたものです。ご先祖あればこその私たち、先祖に感謝の心を忘れず先祖供養をしていただきたいものです。そして、それは、私たちの幸福に必ずつながるものです。     
          (参 宗務院 布教冊子 咲かそういのち 62号)


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