住職のブログ

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2010年 6月 6日 (日)

奈落(ならく)


奈落(ならく)、奈落の底と云われるように、もうこれ以上底がない事を表す。又、劇場の舞台など下にある「せり上がり」の装置のある部分(場所・地下室)のことを奈落と言います。奈落とは、サンスクリット語で、「ナラカ」の音写で那落・那落迦ともいい地獄を意味しています。地獄に八熱地獄・八寒地獄のあり、罪深き人ほど地獄の底に落ちていきます。奈落の底とは、地獄の底、とうてい浮かぶことのできない、永久に浮かばれないことを意味しています。どうしようもない、とんでもない、これ以上落ちることのない奈落には行きたくないものです。
ところで、この舞台の奈落で働いていた方々がいました。今でこそ「せり上がり」は油圧式などの器械で、ボタン1つで上下しますが。その昔は、このせり上がりの台の上下は人力(人の力)でしていたそうです。奈落で働く方々の「縁の下の力持ち」があればこそ、舞台俳優の晴れ姿があったのでしょう。私達は常に誰かの支えがあって始めて生きているのです。そのことを絶対忘れてはいけないと思います。  (参考・くらしの仏教語豆辞典)


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