住職のブログ

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2017年 10月 16日 (月)

どうやって荷物を持ち帰れたのか?


母達はソウルからフサンまでの道中、相当悲惨な目にあいながら、日中は隠れ夜間は休みなく歩くというある意味すごい、生きて帰国する為強硬な行動をとったそうです。顔には竈の墨を塗り、女は、髪の毛を切り男姿で歩いたそうです(日本の女性と分かると襲われる。また子ども(赤子)は泣き声がうるさいと大人の男の人に鼻口を抑えられしばらくするとグッタリしそのまま亡くなっている子を見る、悲壮な顔をした母親、と周りの日本人は自分が生きることしか頭にない理性を失った状態だったそうです。また地元の朝鮮人に自分の子を預ける親達も多かったそうです。
母は、引き揚げ間際に、ソウルでアメリカ人を助けたか、なにか、その人か家族に力になったことがあるようで、その方が訪ねてこられ一枚の手紙を渡してくれたそうで、「これを港で困ったことがあったら兵隊さんに見せなさい」と戴いたそうです。
港についてビックリしたそうで、先に船を待っていた引揚者のみんなの荷物が荷物検査ですべて広げられています。日本人は、荷物の整理がうまくどのようにして、この中にこれらすべてを収めこんだのかと不思議なくらいのところがあります。母達一行は、荷物がどうなるか心配で心配でたまらなかったそうです。その時、先に戴いた手紙を係りのアメリカ人に見せたら、その人が、あなた一人ですか?と訪ねたそうですが、母はその波止場に並んでいた3〜4列ぐらいの日本人全員ですといったそうです。その場にいた全員何事もなく、帰国できたそうです。


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